カーペットや絨毯(じゅうたん)を洗ったことはありますか?小さいラグのようなものであれば自宅で洗う方もいるかもしれませんが、嵩張る大きなカーペットや絨毯(じゅうたん)となると、それこそお店までに持って行くのにも一苦労。故に、掃除機だけで我慢している方も少なくないかもしれません。
カーペットや絨毯(じゅうたん)は一般的なクリーニング処理とは異なり「特殊クリーニング」という扱いになります。その為、クリーニング店の多くではカーペット洗い専門業者へ委託することも多いです。
今回は、衣類ではありませんが、カーペットの取扱い法などについて解説します。
カーペットは敷く場所や目的を考えて、素材や色などを考慮して購入しましょう。
カーペットを買う時の注意点~素材について~
カーペットに使用される素材は、主に以下のような繊維が使用されます。
【参考:日本カーペット工業組合】
ウール
ウール(羊毛)はコットン(もめん)と並んで消費量が多く、衣料用の原毛はオーストラリアからの輸入が大半を占めていますが、カーペット用はニュージーランド、イギリスなどの原毛が使用されています。 特徴は、“ウールの七不思議”といわれているように、吸音性、染色性、吸湿性、汚れにくく汚れを落としやすさ、難燃性、クッション性、保温性に優れた性能をもっています。ただ、虫やカビに侵されやすい欠点があるので防虫加工を施しています。
アクリル
ふっくらとやわらかく、弾性や保温性がよいなど、ウールに似た風合いをもっています。また、吸水性が少ないので、水溶性の汚れが付着せず、帯電性も小さく、耐薬品性があり、カビや虫害も受けません。その他、鮮明な色合いが得られ、堅牢度がよく、摩擦に強く、弾性がよいなどが特徴です。
ナイロン
特徴は、引っ張り強度が特に大きく、水に濡れても、その強度はほとんど変わりません。また、薬品、油、カビや虫害を受けない点も特徴ですが、屈曲弾性、摩擦強度が他の繊維に比べて格段に優れ、したがって耐久力があり、業務用途を中心に幅広く用いられています。 素材特性から歩行量の多い場所―廊下、階段、ホールなどに適しています。ナイロン素材の問題点としては、静電気が起こりやすく、ピリング(毛玉)ができやすい(紡績糸の場合)、高温で軟化溶融したり、白い物は紫外線によって黄変します。しかしこれらの問題点は、例えば静電気については、静電加工が素材あるいは製品段階で施されるなど解決策が計られています。
ポリプロピレン
特徴は、ナイロンと同様に強度に優れ、繊維の中でもっとも軽く(比重0.91)、また、酸・アルカリなど化学薬品に強く、カビなどにも抵抗力があります。吸湿性がないので、濡れても乾きやすいのですが、染料となじまない欠点をもつので、プラスチックなどの彩色と同じように原着(原液着色)といって、繊維にする前の原料のうちに顔料を加えて着色しています。原着は鮮明性はやや乏しいが、堅牢性に優れています。カーペットの問題点としては、弾力性に乏しく、熱に弱く、堅い感触がするなどありますが、むしろ、このような特性を生かしてニードルパンチやレベルループカーペットなどに使用されています。
ポリエステル
摩擦に強く、シワになりにくく、形態安定性に優れています。合繊繊維の中ではもっとも熱に強く、日光や薬品にも強く、カビや虫に侵されず、吸湿性が少ないため乾きが早いなどの特徴があります。
【参考:大川家具@OHKAWAKAGU】
カーペットを買う時の注意点~色について~
直接日光が当たる場所での使用を想定した場合、パイルが変色したり、基布が劣化してパイルが抜けたりする場合があります。出来るだけカーテンやブラインドで日よけすることで、寿命を長引かせることが出来ます。
また、日光に弱い色と比較的強い色があるので、色選びの基準としても参考にするのも良いかもしれません。
比較的強い色:ベージュ、やや淡い中間色やブルー系
弱い色:濃色
手入れとクリーニング
家庭でのお手入れ法として以下のような方法があります。
1日1回:手掃除機で表面に付く汚れを取る。
週1回:電気掃除機でパイルの中に落ちた汚れを吸い取る。
月1回:掃除用洗剤のごく薄い温湯でタオルを絞り、毛並みにそって拭く。(水溶性汚れをタオルに移し取る)
半年に1回:天気の良い日に戸外の通風のよい所で干し、ほこりをたたく。
《カーペットのシミ抜き》
食物やインキなど、シミの素がこぼれたときは、すばやくお手入れを。まず、乾いた布でツマミ拭き、つぎに水か中性洗剤入りのぬるま湯でもう一度ツマミ拭き。横拭きは汚れが広がるので、厳禁!酷い場合はクリーニング店へ相談して下さい。
クリーニング方法
カーペットのクリーニング方法は一般的に、水洗い、シャンプー洗い、ドライクリーニングの何れかが行われます。
水洗い
水洗いは、カーペットを床に広げ、洗剤液を用いてブラシ洗いの後、吊り干しにより感想するか、あるいは幅広の洗浄機に入れて洗浄したあと、脱水後吊り干し乾燥する方法などがあります。洗浄効果は最も大きいですが、脱色、収縮のおそれのあるものには行われません。
シャンプー洗い
基布までを濡らさないようにする目的で、パイルに洗剤の泡をつけてポリッシャー(回転ブラシ)でブラッシングをし、汚れを吸着した泡をバキュームマシンで吸い取る方法です。汚れの除去力は不十分ですが、濡らすことが不可能であつたり、取り外しが困難な敷き詰めカーペットの洗浄に用いられます。
ドライクリーニング
カーペットの本質としては望ましいクリーニング方法ですが、洗濯機に入る大きさであることと、裏ゴム張りが施されていないこと、などの条件に合わせなくては適用出来ない。
注意したい保管方法
カーペットの保管方法で注意したいのは、丸めて風通しの良い場所に保管することです。折り畳むの破れることがありますので絶対にやめましょう。
クリーニング屋さんに集荷のお願いをしてみよう
カーペットは大きくて重い為、わざわざクリーニング店まで持参するのは非常に大変です。そこで、是非利用したいのがクリーニング店の集配サービスです。
クリーニング店では、実は集配(宅配)サービスを行っているお店が多いです。普段集配サービスを利用されない方などは、これを機会に試してみるのも良いかもしれません。
《参考》
日本カーペット工業組合