クリーニング店では衣類だけでなく、絨毯(じゅうたん)や布団、ネクタイや手袋、最近ではバックや靴などのクリーニングを行うお店もあります。このように、実はクリーニング店は衣類以外の品物もクリーニングを行うお店が沢山あります。
中でも布団のクリーニングは、衛生面を考えると非常に大事なお手入れですが、布団カバーやシーツを洗っただけで満足していたり、天日干しだけで済ませてしまう方が多いようです。しかし、これでは根本的に汚れは落ちていないことを理解する必要があります。
このページでは布団のクリーニングについて解説致します。
布団をクリーニングに出したことはありますか?
全国クリーニング生活衛生同業組合連合会・中央青年部会が行った平成19年度の消費者2万人アンケートの都市部集計によると、「ふとん類をクリーニングに出したことはありますか?」の問いに対し、「出したことがある」と回答したのが41.3%「出したことが無い」と回答したのが56.0%という結果が出ています。
この結果から考えられるのが、布団をクリーニングに出すことが習慣化されている家庭が少ないことが伺い知れます。
では布団をクリーニングに出さない方は、どのようなお手入れをしているのでしょうか?
天日干し・除菌スプレーで洗った気分になっていませんか?
アンケートによると、布団のお手入れ方法は「天日干し」が68.6%で最も高く、「除菌スプレー(ファブリーズ等)の使用」は20.9%、「布団乾燥機を用いてる」が18.3%という結果が出ています。
しかしどれも、決して洗ってはいません!「天日干し」や「布団乾燥機」は、乾燥させて布団のフカフカした弾力性を回復させますが、汚れは落としていません。
「干す・スプレーを吹き付ける」のと「洗う」のとでは、全く意味や効果が違うことを理解する必要があります。
天日干しの意味
布団を「天日干し」する効果というのは、寝ている間に身体から出る水蒸気や汗を吸いこんだ布団の湿気を逃がすところにあります。つまり、あくまで布団に蓄積された湿気を出すだけで、汚れが取り除かれている訳ではありません!
また、ダニも天日干し程度では死にません。
除菌スプレーの意味
布団に「除菌スプレー」を吹き付ける効果というのは、あくまで臭い成分を別の香り成分で封じ込めたり、臭いを放つ菌を分解したりなどし、除菌や消臭を行います。しかし天日干し同様、汚れは落ちていません。むしろ、除菌や消臭スプレーはCMはもちろん商品パッケージなどにも「汚れが落ちる」とは一切語っていないので、注意が必要です。
参考:「臭いと汚れの違いを知ろう」
布団の汚れ
布団の代表的な汚れは、汗、皮脂、ホコリ、そしてダニなどです。また、人は一晩で平均200ミリリットルもの汗をかくと言われていますが、汗に含まれる塩分、皮脂などの成分は生地や中綿(わた)に浸透し、徐々に溜っているのです。
直に肌に触れるシーツや枕カバーは定期的に洗たくする家庭は多いかもしれませんが、肝心の布団は汚れたままなのです。
これにより、例えばダニは布団に蓄積された汗の成分や皮脂を求め布団内部に潜り込みます。そして、その死骸やフンなどが、アレルギー等を引き起こす場合もあります。
そこで少しデータが古いですが、クリーニング綜合研究所と東京都立衛生研究所が共同で、布団の汚染状態を調査したところによると、布団の丸洗いによるダニの処理効果は83.7%となっているようです。
しかし、布団のクリーニング丸洗いを行わなければ、同等の洗浄効果は無い訳です。
まとめ
以上のように、布団のクリーニングを行わないと汚れは蓄積していき、健康面も害する可能性があることを理解頂けたと思われます。
布団はなかなか持ち運びが大変で、クリーニング店に持って行くにもある程度覚悟が必要です。しかし、クリーニング店によっては集荷サービスを行ってくれるお店もあるので、一度試しにクリーニングの集荷・配達サービスを利用してみるのも方法です。