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ラメやスパンコールなどのある衣服について

ラメ・シャイニー素材
衣服はその時代時代においてトレンドとなる素材や柄などがありますが、キラキラした素材で上品な光沢感を醸し出すシャイニー素材が注目されています。
このページでは、シャイニー素材の特徴について紹介します。

シャイニー素材とは

ラメ・スパンコール・ビーズ加工など光沢のある素材の総称を「シャイニー素材」と言います。光沢があることからダンスの衣装や煌びやかなドレスに使用される素材として用いられますが、それ以外にも最近ではニットのセーターやカーディガンなどのカジュアル品やストッキングや、スカートなどでもシャイニー素材を取り入れて未来感を出すトレンドもあり、派手な素材にもかかわらず広範囲に用いられる素材です。
ここでは、スパンコールやビーズなど付属品ではなく、主にキラキラした質感を出す素材として、ラメ糸とスパークナイロンをピックアップします。キラキラさせる為の加工が各々異なる点がポイントです。
ラメ糸
ラメ糸は、ポリエステルやナイロンなどのフィルムに対して、高温で溶かし気体にしたアルミニウムや銅などの金属成分を付着させます。そしてその表面に保護などの目的で樹脂がコーティングされています。銀のラメは透明樹脂を使用しますが、金のラメはオレンジ色系統の樹脂をコーティングすることで金色に見えるようにしています。また、品質表示などに「スリット糸」と記載されたものもありますが、ラメを細長い状態に裁断する時にスリッターを使用することに由来しています。
実際は、ラメ糸と他の糸を併用してニット製品や織物製品が販売されたりしています。


製造方法の参考動画(泉工業株式会社

スパークナイロン
スパークナイロンは、きらめきを表す英語のsparkのように、よく光を反射するタイプのナイロン糸の通称で、一般的に合成繊維の断面は丸いですが三角や星型などの異型断面をしたつやがある糸です。スパークナイロンは、ラメのようにメタルっぽくなく、透明感があり、柔らかな光沢を表現できるのが特徴です。
レディスウェアでは、綿や麻、ウール、ポリエステルなどんも他の糸と撚り合わせて1本の糸にしてから織ったり、他の糸と一緒引き揃えて編んだりしてあります。
近頃では、ウールまたはレーヨン・ポリエステルをベースに、スパークナイロンを20~50%複合した商品もあるようです。
異型断面とは:上品な光沢を醸し出す絹の断面が三角形であるところから、合成繊維を人工的に三角形にすることによって、シルキーな感触、光沢に近づけようとするもの。

シャイニー素材の注意点

ラメ糸の注意点
ラメ糸の光沢は、金属素材そのものによるものです。そしてラメ糸で用いられる金属は、湿気・汗・酸性やアルカリ性物質などに弱く、接触すると変色したりラメが剥がれ落ちたりします。そして、ラメ糸の金属部分が変化した場合、生地そのものが変色しているように見えたり、シミが付いたように見えやすいです。また、摩擦や張力を受けて延ばされると品質が低下して光沢が消失しやすくなるので注意が必要です。

そのようなことから、主なラメ糸の変退色の原因は次のケースが挙げられ、特に注意が必要です。

・汗や果汁の付着
・薬品類の付着や残留
・湿気や防虫剤の高濃度ガス

また、着用や保管や取扱いには以下の点に注意してください。

・保管時には、湿気がこもらないようにする。
・汗や飲食物などを付着させないようにする。
・汗や飲食物などが付着した場合は、付着物を早めに除去する(クリーニングに出す際には、何が付いたかを伝える)
・ラメ糸は強い薬品類が使用出来ないので、シミ抜きの除去は出来ないことを知っておく。

スパークナイロンの注意点

合成繊維であるナイロンは、紫外線やガスなどにより黄色く変色する短所があります。白や淡色は経時変化で目立ってきます。また、もう一つ大きな特徴が熱に弱いということです。タバコの火などが付着すればすぐに穴が開きます。

スパークナイロンのように繊維断面が丸ではなく異型であっても根本的に素材の特徴は同じなので、例えばシワが気になるからと安易にアイロンをあててしまえば、その熱で繊維が溶けることもあります。

参考:日本繊維製品クリーニング協議会、繊研新聞